泣きたくなるほど犬に会いたい。
中学生の息子から「体操着が無くなったから、購買部で買っていい?」と、のんきな電話がかかってきた。体操着が無いなんてありえない。「どうして無いの?」と聞くと、洗濯担当の長女がサボっているらしい。私が義実家にいる間、家の中はめちゃくちゃになっているようなのだ。
「お父さんに伝えておくから、お金もらって。夜、お姉ちゃんが帰ってきたら、電話するように」と言っている途中に、次女がワンワン泣きだした。「おにいちゃん、それママでしょ?ママ、ママー、はやくかえってきて」と叫んでいる。泣きたいのは私の方だよ。
次女を慰めていたら、奥の部屋から認知症の義母が、義父を大声で呼び出す。「ごめんね、ママ、おじいちゃんが退院するまでお家に帰れないの。お兄ちゃんとお姉ちゃんの言うことよくきいてね」と電話を切って奥の部屋に走る。どうして田舎の家ってこんなに広いんだろう。
広い家にたくさんの家族がいたはずなのに、今は老夫婦がふたり。しかし義父は先日、急に入院してしまった。こんな時なのに実子はあてにならず、結局、長男の嫁である私が、駆けつけるしかなかった。義母が入所できるような介護施設は、空きがない。ここで義父が退院してくるのを、じっと待つしかない。
義実家の介護は仕方がないこととはいえ、一人だけ家族と離れているのは切ない。特に朝と夕方、犬の散歩の時間になると、泣きたくなるほど犬に会
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