虹の橋を渡る日まで
「ちょっと、さっちゃん……じゃなくて、美沙さん、このメロンを持って帰って」と姑が私の名前を言い間違えた。さっちゃんって聞いたことのない名前だなあ。「高級メロンをありがとうございます。あの、さっちゃんて、誰ですか?」と聞いたら、お義母さん、顔が真っ赤になっちゃった!
「やだわ、ごめんなさいね、間違えちゃって、智哉に聞いて頂戴な。じゃあ、帰りの高速、気を付けてね」とニコニコしながら玄関から出されちゃった。いつも私たち夫婦を歓待してくれる義実家の人たちだけど、「さっちゃん」に関しては何かモヤモヤしたものを感じた。
夫の姉も妹も、最初から私を「お嫁ちゃん」ってかわいがってくれて、行けば盛大にごちそうを作っておもてなししてくれる。私は遠慮なくもりもり食べるから、夫の実家に帰るたびにダイエットしなければならない。本当にありがたい人たちなんだけれど、このさっちゃんには、何かひっかかるぞ。
さっちゃんって、私によく似た親戚とかご近所さんがいるのかな?お義母さんが真っ赤になって「智哉に聞いて」って言ってたから、智哉さんに関係するヒトなのでしょうねえ。もしかすると昔の彼女さん?
幸せで平穏な結婚生活に突如登場してきた、謎の人物・さっちゃん。やだわ、ドロドロの昼ドラみたいじゃない?うっかりお義母さんが漏らした過去の女、なーんてね。思わずウフフと笑っちゃったら、隣で運転していた夫が「
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