羊飼い猫の日記
牧場で暮らしている羊は、牧羊犬と交流を築いていることが多いもの。しかし、猫と羊の間にも、絆が芽生えることだってあるのかもしれない。『羊飼い猫の日記 アイルランドの四季の暮らし』(スザンナ・クランプトン:著/宮崎真紀:訳/ハーパーコリンズ・ ジャパン)は、そんな気づきをくれる一冊だった。
本作の主人公は、アイルランドで拾われた1匹の野良猫「ボデイシャス(bodacious)」。人間や犬、鶏、馬、羊といった種族の違う仲間たちと過ごす、ボデイシャス。その日常には一般的な猫では経験することがない、たくさんの驚きと幸せが溢れている。
元野良猫のボデイシャスが「牧羊猫」に
主人公のボデイシャスは、長毛のキジトラ。実はアイルランドでは、最も有名な猫として知られている。日本では2018年にNHK BSプレミアムにて放送された「岩合光昭の世界ネコ歩き(アイルランド編)」に登場した。
そのため、本作の帯には岩合さんからの愛情あふれるコメントが添えられている。帯を目にすると、「いい子だね」と声をかけながら、ボデイシャスに接したであろう岩合さんの姿が頭に浮かんできて、思わず目じりが下がってしまう。
元野良猫のボデイシャスはお店に迷い込み、居着いていたところ、牧場を営む羊飼いの女性に拾われ、ブラックシープ農場の牧羊猫になった。本作は「春」「夏」「秋」「冬」の4部構成となっており、作中では
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