子猫よりもさらに小さいマイナー妖怪「猪口暮露」
妖怪というのはその体の形も千差万別だし、大きさだってそれぞれに異なるものだ。すねこすりという妖怪は子犬だか子猫みたいな姿をしているし、サイズもそのぐらいしかない。
しかし、ダイダラボッチという妖怪は、足跡が湖になるほど規格外の大きさを誇っている。
妖怪というのは非常にバリエーション豊かな個性の総称と考えてもいいのかもしれない。
それこそ、海外では神様だの悪魔だのと呼ばれて区別されている存在を、日本では丸ごとひっくるめて「まあ妖怪でしょ」と認識してきたわけだ。
日本人のそういうおおらかなところが、個人的には好きである。
今回紹介する妖怪、猪口暮露(チョクボロン)もまた、変な魅力を持った謎の存在だ。そして僕は以前、もしかするとこの妖怪を見たのかもしれない。
猪口暮露、かつて中国から伝えられた謎の妖怪
猪口暮露とはその名の通り、お猪口を逆さにして、それを頭からかぶった姿をした妖怪である。つまり、かなりミニマムな妖怪ということになる。
せいぜい体長も15センチぐらいなんじゃないだろうか。そして袈裟のようなものをまとっているため、傍目には虚無僧のようにも見えるという、なかなかクールなデザインの妖怪だ。
この妖怪の元ネタになったのは、かつて中国のある皇帝が病に臥せたとき、皇帝の夢の中に出てきた鍾馗様が退治した鬼であるという。その鬼を、なぜか日本
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