虹の橋を渡る日まで
友人たちがどんどん結婚・出産していき、焦りまくって婚活に参戦したけど、最初の結婚相談所に登録したところで、であえなく討ち死にした。
確かに私にも多少の問題はあったかもしれないけれど、相手もあんまりだった。デートにジャージを着る男がいるなんて、信じられない。この相談所は私には合わなかった。
別の方向から攻めるべく、新しい相談所に申し込みをしようとしてふと、「このお金で犬が飼えるんじゃない?」と気が付いた。そうなると話は早くて、とんとん拍子にうちの子がやってきた。
運命としか言いようのないタイミングでやってきた子犬が、婚活で傷ついた心と体を完璧に癒してくれる。何でもない仕草や、普通の日常があまりにも楽しすぎて、困るぐらいなのだ。
一人暮らしなのに、家にいて笑いが絶えない。気が付けば犬といっしょに遊んでゲラゲラ笑っている。心の底から幸せを感じる機会なんて、めったにないことだ。たった一頭の子犬が、そのめったにない幸せを運んできた。
会社にいても犬を思い出すとニヤニヤしてしまい、幸せを隠すのが大変だ。スマホの画像は犬で埋め尽くされ、気が付けば犬のグッズばかり増える。
とはいえ、田舎の親からは「犬を飼うなんて婚期を逃す」「犬を手放せ」と大反対だ。父なんて「男性の代わりに犬を可愛がるなんて、そもそもが代替行動である。直ちに修正すべき」と訴える、長い手紙をよこした。男性の代わ
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