「犬は感情の賢者」…セラピードッグが、認知症患者の記憶を蘇らせる理由
2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症に!?
▲「セラピードッグの子守歌 認知症患者と犬たちの3500日」 (真並恭介著/講談社)
2025年には、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症患者になると推測されています。年齢的にもそろそろ不安なので、最近、認知症予防の本をよく読んでいるのですが、大きなショックを受けたのが「セラピードッグの子守歌」という本。
ドッグセラピーを単なる“癒し”ではなく、認知症患者に対する“治療方法”として活用し、10年間で400以上の個別ドッグセラピーを行ってきた「介護高齢者ドッグセラピー普及協会」(岡山県)の活動を、4年間にわたり密着取材した本です。
前半では、セラピードッグとのふれあいによって、認知症の症状が改善した多くの奇蹟のような事例が紹介されており、後半では脳科学・医学の視点からドッグセラピーを徹底検証しています。
弱さは、セラピーにおいてはむしろ強みとなる
目からウロコのお話だらけだったのですが、私が特に印象的だったのは、2002年にアメリカから日本にやってきた2匹のセラピードッグ、スウィートとジャスティンのエピソードです。
スウィートは明るく快活で人なつっこく、ゴム風船を使ったバレーボールが得意。スウィートがいるとその周りに笑顔と歓声の輪が広がり、気が付くと患
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