虹の橋を渡る日まで
老犬介護をしている素敵な飼い主さんが近所にいて、犬の散歩をしていると時々、出会う。バギーに乗せて、ゆっくり散歩をしているのを見ると、えらいなと思うし、うちの子も高齢になったらこんな風に外へ連れ出してあげようと密かに心に決めている。
その老犬が元気な頃はうちの子とはとても仲良しで、ドッグランを並んで全速力で走るのが大好きだった。一緒に走れなくなっても、仲の良かった友達だとわかるのか、うちの子は老犬に出会うと鼻を突き合わせて挨拶をする。老犬もわかっているのか、顔をもたげて、匂いを嗅ぎ合う。
「おはようございます、いい天気ですね」「あんなに暑かったのにね」なんて、世間話をしている間、二頭が尾を振りながら匂いを嗅ぎ合っているのを見るのは楽しい。私の母ぐらいの年齢で、品があって、旦那様も犬好きで、結婚したらこんな夫婦になりたいと、密かに憧れている。
バギーで散歩を始めたころ、「大変ですね」と声を掛けたら「全然、全然!うちのおばあちゃんの介護に比べたらあなた、全然ラクよ」と顔の前で手をひらひらさせながら、笑って言ったけど、それはやっぱり人知れず苦労があるのだと思う。
というのも以前、この飼主さんと私は、ちょっと嫌な体験をしたからだ。二人で並んで歩いていたら、見知らぬ男性がいきなり近づいてきて、「なんだ、犬か」とバギーを覗いて吐き捨てるように言ったのだ。
その「犬か」って
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