様々な昔話の登場人物が猫にすり替わる本
幼い頃、筆者は昔話が大好きだった。自分とは違った世界で生きる桃太郎や一寸法師などを目にすると単純にわくわくしたし、世界はもしかしたら、もっと広いのかもしれないと感じてウズウズもした。
母親についてスーパーへ行き、隣接していた小さな書店でお小遣いとにらめっこしながら、まだ見ぬ物語を買うか悩んだあのひと時は、ものすごく貴重な時間だったように思う。昔話は、病弱で外の世界をあまり知れなかった筆者に、ここではない世界があるかもしれないという期待を抱かせてくれた。
そして、これほどまでに本が好きになれたのも昔話のおかげ。だから、大好きな猫と昔話がコラボした『ねこむかしばなし』(ぱんだにあ/KADOKAWA)は、とても魅力的な書籍だった。
誰もが知る「あの昔話」に猫を加えてみました!
本作は誰もが知る昔話に、猫をスパイスとして加えている4コマ漫画。猫が登場するだけで、見知った昔話がユニークかつ微笑ましく変わってしまうから面白い。
例えば、赤ずきんちゃん。本来なら、お使いを頼まれた赤ずきんちゃんはおばあさんのフリをしてベッドに眠っているオオカミに対して様々な質問をし、食べられてしまう。だが、本作では、オオカミ役となった”猫”が赤ずきんちゃんとユーモラスなやりとりをする。
赤ずきんちゃんは猫に対し、「どうして、耳がとがっているの?」や「どうしてそんなに目が丸
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