猫は昔、養蚕業の守り神だった!
その昔、養蚕業は日本の主要な産業の一翼であった。
弥生時代に中国大陸から伝わった養蚕のノウハウは、明治時代頃にその最盛期を迎えたとされる。
この頃には実に良質な生糸が国内で産出されるレベルになっており、本場中国の生糸と比べても引けを取らないものであったという。
現在では養蚕は往時の勢いはなくなって久しいが、一時は世界的に見ても良質な生糸を各国に送り出すほどの高い品質をキープしていたのは事実である。
ところで、なぜいきなり養蚕の話をしているのか?
これには理由がある。
実は養蚕業は、外敵に対して防御手段を持たない蚕を育てる必要があることから、その蚕を守るための工夫や努力が必須だったのだ。
そしてこの工夫のひとつに、猫を使うという策が用いられていたのだ。
蚕は無防備!だから番人が必要だった!
蚕という昆虫は、人間が品種改良の末に生み出した家畜。
そのために人が手を入れないと生きていけない。自然下では絶対に存在できないほどか弱い生き物である。
だから外敵への防御手段も持たない。
そして、常に人間が良質のクワの葉を与えないとならない。自分では餌を探せないのだ。
そんな蚕なので、たとえば養蚕場に侵入したネズミにとっては、格好の餌となる。
実際にネズミによって食い荒らされる被害は昔から養蚕家の悩みの種であったようで、これに対処するために猫に白羽の矢が立ったの
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