虹の橋を渡る日まで
猫とのんびり暮らしていたのに、新しい彼女が猫嫌いで困っている。「猫の方が大事なの?」と泣かれてしまった。困って幼馴染の女友達に相談したら「それなら恋愛の帝王に相談してみなさいよ」と怪しげなバーに連れて行かれた。
ビールメーカーに勤める女友達は仕事柄、バーや居酒屋に詳しく、新宿で恋愛の帝王と呼ばれるニューハーフと仲良くなったらしい。男女の恋愛について、すばらしく正確にアドバイスができる達人なのだそうだ。
「すごい人で、恋愛のプロだから、いろいろ相談に乗ってもらうといいよ」と、連れていかれたバーは古い店で、何やら怪しげな雰囲気だ。おまけに紹介された帝王と称される人物は、初対面からご機嫌斜めだった。
「こういう天気の悪い日は、あたし頭痛が出ちゃうのよねー、ホント、やんなっちゃうわ」と顔をしかめる。女友達は「大丈夫?これ私の痛み止めだけど、飲む?」なんて差し出した薬には「頭痛・生理痛に」と書いてある。一応仮にも男性に生理痛薬はないよなーと思ったけど、帝王は意外にも嬉しそうだ。
「やだもう、あたし生理痛じゃあないんですけどー。でも、頭痛に効くならもらっとこ」なんてご機嫌が直ったところで、相談にのってもらった。
「あの、よろしくお願いします、えと、一人暮らしでうちに猫がいるんですけど、新しい彼女が猫嫌いで、猫と私とどっちが大事なのって、泣かれちゃって。猫を棄てるわけにいか
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