猫を腎臓病から解放「猫が30歳まで生きる日」【ブックナビ】
私たちはたくさんの猫たちを腎臓病で亡くしてしまいました。しかし、今、悲願だった腎臓病の治療薬誕生への道筋が見えてきました。この日を望んでいた飼い主さんにとっては、何よりの朗報です。
今回、その治療薬開発の第一歩となるタンパク質を発見した、東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター分子病態医科学教授宮崎徹氏のノンフィクション「猫が30歳まで生きる日~治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見」(宮崎徹著、時事通信社刊、税込み価格1980円)が来月、発刊されます。
宮崎先生はもともと病院で診療する臨床医でしたが、基礎研究者へと転身した経歴の持ち主です。動物医薬とは関係のなかった宮崎先生ですが、バーゼル免疫学研究所で研究していた時に、人間の血液中に高い濃度で含まれているタンパク質「AIM」を発見しました。
AIMは「apoptosis inhibitor of macrophage」の略で、日本語に直すと「マクロファージを死ににくくする・元気にする」です。マクロファージは免疫細胞で、細菌や異物から私たちの身体を守ってくれます。
宮崎先生は約10年間、研究を続けた結果、AIMが動脈硬化の成り立ちに関係したり、脂肪細胞にたまっている脂肪を小さくする機能があることを突き止めました。
腎臓に機能することがわかったのは、
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