虹の橋を渡る日まで
何なんだろうな、このシチュエーションは……ふんわりとした空間で猫を膝に抱えたまま、僕はぼんやりと考えていた。
子供の頃から群れるのが嫌いで、就職してからも無難なペースで「おひとり様」を貫いている。プロジェクトの打ち上げなどの社内の飲み会は常識程度に参加するけど、休日を潰してのBBQは不参加だ。
残業の無い日や、会社がらみのイベントが無い休日は、ひとりで色々楽しんでいる。カラオケ、バッティングセンター、展覧会、映画、スポーツ観戦など、誰に気を遣うことも無く、自分の好きなものを好きなペースで楽しめるのが、「おひとり様」の良いところだ。
最近、仕事が立て込んで残業続きだったので、その日は取引先から自宅へ直帰にした。相手側の都合で思ったよりも早い時間に仕事が終わったので、時間つぶしに、駅前通りを探索することにした。
まだ夕方にも早い時間だったせいか、飲食店は軒並み準備中だったが、にぎやかだった。良さそうな飲み屋もあって、次に来た時のためのリサーチのつもりで、しばらくぶらぶらと歩いていた。
そのまま通りの端の方まで来たところで、横からすっとチラシを差し出されたのだ。
「ネコCafé Shippoの天使」
「へ?」と差し出された方へ顔を向けると、エプロン姿の女性がチラシを差し出して、にっこり微笑んだ。
「お兄さん、時間があるんでしょ?うちの子たち、美人で可愛いくて性格の良い
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