この物語は、ここ30年でノラ出身のネコを12匹保護し、一緒に生活し、ついに全員を看取ったと思ったら、今また一匹のネコと暮らしている中年男の喜怒哀楽に満ちた日常の回顧録である。
ミー(仮名)がきた! 第23回“冷”
暑いすね。夏だもの。
とはいえ我が家は、やけに風通しのいい間取りでして、夏といえども35度を超えないような日は、クーラーのスイッチを入れることもなく、窓全開の網戸で特に問題なく過ごせる。前にも書いたけど、その為に網戸をネコに破壊されないようなアルミ製に変えたくらいなのだ。
そんなワケで、唯一クーラー入れる時といえば、人間が全員外出する時だけ。防犯の為に窓もしっかり閉めるので、留守番しているネコの為にクーラーを入れるというシステムでやってきた。ようするに我が家にとってのクーラーは人間の為ではなく、ネコの為にのみ存在している電化製品なのだ。
しかし今年の夏はそうもいってられなくなった。ウチのすぐ近くでマンションの新築工事がはじまったのだ。最近のマンション工事っていうのは、近隣に気を使ってるのか、その工事の予定がチラシとなって近所に配られる。それによると、真夏の8月あたりに工事も佳境を迎え、ちょっとした騒音があるらしい。こりゃ窓全開だと「うるさいね、ど〜も」ってことになりそうだ。
ここで普通の家ならば、じゃあ今年の夏はクーラーつけて過ごすか、ってことになるんだけど、我が家のリビ
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