ひと昔前の田舎の、地域に馴染めない人の扱いって結構キツかった
ちょっと昔話をしたい。このあいだ、銭湯でぼんやりお湯に浸かっているときにたまたま思い出した話だ。
1980年代の終わりごろ。うちの近所に、周りの家々からちょっと敬遠されているおばさんが住んでいた。
いつもニコニコ笑顔で傍目には良いおばさんなんだけど、わけあって親戚とは離れて1人住まいをしている人だった。その理由は子供心に聞かない方がいいと思って知らないままにしていたが、あるとき「牛乳飲む?」とそのおばさんに聞かれて「うん」と返事したら、泥だらけのコップにぬるい牛乳を注がれたのでなんとなく察しはついた。
まあ、そんな人なので周りからもあまり干渉されることなく、地域のお祭りなんかも呼ばれることもなく、という感じだったのだ。露骨に周りの人から避けられていて、でも村八分ってほど酷くもない。なんか、その地域の日たちが当たり前におばさんの存在をないものとして扱っているという、そういう雰囲気が子供ながらに感じ取れた。
肝心のおばさんはずっとニコニコしているため、悲壮感みたいなのはなかったけど、なんか扱いが悪かったのは事実である。
その当時、地区の子供会が10月になると、近隣を回る子供にお菓子をあげるという取り組みをやっていた。当然僕もそれに参加して、大人たちが用意していたお菓子をもらっていたんだけど、子供たちですら無意識に件のおばさん
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