虹の橋を渡る日まで
「sub:どうしてる?
ヒロミ、元気ですか?
君が出て行ってから僕も色々と考えたんだけど、やはりちょっとした行き違いがあったんだと思う。あんなに愛し合っていたんだから、そろそろ戻って来ないか?君が可愛がっていたマリリンも待っているよ。今度の連休には一緒に旅行でもしようよ。連絡待ってます。
ケンジ」
「Sub:待ってるよ
ヒロミ、まだ返事が来ませんがちゃんと読んだのかな?マリリンが君を恋しがるあまり、元気が無いんだ。マリリンのためにも戻って来てください。
ケンジ」
「Sub:戻ってきて
返事もくれないなんてあんあまりじゃないかな。本当にマリリンの元気が無いんだ。朝からロクにゴハンも食べてなくてぐったりしているんだよ。ヒロミどうかすぐに戻ってきて。
ケンジ」
研究室で仕事用に使っているアドレスに、3通のメールが立て続けに届いた。でもこのケンジには、まったく心当たりが無い。
私の名前もヒロミだが、男だ。どうやらモロ復縁要請メール、ネットでいうところのロミオメールというやつが、間違ったアドレスで届いてしまったようだ。
マリリンというのがどういう動物かわからないが、ペットをダシにして復縁を迫るところが気に入らない。不愉快な男だけれど、「メールの宛先が間違ってましたよ」という返事を出したら、驚くだろうし、恥をかかせてしまうのは何となくかわいそうだ。
だいたい自分の体験か
コメント