街で野良猫を見なくなった理由
最近、野良猫の姿を街で見かけることが少なくなりましたよね。私は単純に、「保護猫活動が盛んになったからだろうな」と思っていました。が、別の可能性もあることを最近、「知りたい!ネコごころ」(髙木佐保著/岩波書店刊)という本で知りました。
この本によると、野良猫や外飼いの猫が多かった昔は、猫も自由恋愛・自由繁殖が大多数を占めていました。だから猫も性格的に多彩で、人懐こい子もいれば、人を警戒する猫もいたのです。
しかし最近は法律的にも完全室内飼いが義務付けられ、室内飼いの猫のほとんどが(生殖器に関わる病気の予防のためにも)去勢・避妊されています。つまり、人と暮らしやすい穏やかな性格の猫の繁殖は抑えられています。一方、人に対して恐怖心や警戒心が非常に強い猫=外で暮らしている猫だけが、自由に繁殖していくという状況になっています。
このような状況が続くと、野良猫は人が飼育できない警戒心が強い猫同士が掛け合わされ、ますます臆病な性格の猫ばかりになります。すると人間との接触を避けて人の少ない地域に集まるようになり、将来は人目につかない山奥などで生活するような猫が大多数になる可能性もあるというのです。本には「数十年後には街で野良猫を見かけることはなくなるかもしれません」と書いてありましたが、すでにその兆候はあるのかも…。
人にシャー!をするのは、和猫だけ
ここ何百年か
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