前を向けないどん底な日に読みたい『ちびギャラ』
どうしても前を向けないどん底な日は、誰にでもある。自分のふがいなさを責めてしまったり、自己嫌悪に陥ってしまったりすると自分という人間をさらに嫌いになってしまうものだ。
そんな絶望的な日に必ず開く書籍がある。『ちびギャラ』(ボンボヤージュ/ゴマブックス)だ。本作はユーモラスなキャラクターが登場するイラストブック。しかし、一般的なイラストブックとは違い、個性豊かなキャラクターと共に描かれてる、クスっと笑える“深いい一言”が心に刺さる。
本作が刊行されたのは、2002年のこと。味わい深い猫のキャラクターがたまらなくかわいく見え、当時小学生だった筆者は夢中でグッズも買い漁った。それから時は流れ、筆者の中での「ちびギャラブーム」もいつしか落ち着きを見せるようになったが、中学生の頃、改めて本作を開くことに。
中学生といえば、多感な時期だ。「思春期」という言葉で片付けられないほどの悩みや不安が心の中に芽生えていた。筆者は価値観や嗜好がマイノリティだったからこそ、「普通」に見えるよう、周りの目を気にしながらごまかし続ける日々を送るように…。友達から嫌われないよう、顔色も窺っていた。中学校という場所では小学校とは比べものにならないほど、自分を偽り続けなければならず、苦しかったように思う。
見せかけの日々を続けていると、いつしか「自分ってなんだっけ?
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