「さとりをひらいた犬~ほんとうの自分に出会う物語」【ブックナビ】
さとりをひらくって何?犬がさとる?そんな疑問を抱きつつ、手に取ったのが「さとりをひらいた犬~ほんとうの自分に出会う物語」(刀根健著、SBクリエイティブ発刊、定価1650円)です。帯に掲載されている“これはあなたの人生を変える物語です”という言葉に魅かれました。
この本は猟犬ジョンが「ほんとうの自分」「ほんとうの自由」を探しに旅に出る物語です。ジョンは伝説の聖地・ハイランドを求めて旅を続けます。出会いと別れを繰り返し、到達した末に得たさとりが、感動的でした。
それにしてもなぜ主人公は犬で、それも猟犬だったのか。愛犬家にはそちらの方が気になります。猫は生まれながらに悟りを得ているような気がしますし、鳥は空を飛ぶ神に近い存在です。苦労してさとりを得る動物として、犬は最適な動物でした。
真摯に追い求める犬という動物
思い込んだら純粋に道を究め、愛情に敏感な犬だからこそ、「ほんとうの自分」と「ほんとうの自由」を真摯に追い求めるのでした。辛い旅路を仲間とともに、そして、ひとり孤独に苦しみながら。
この健気な犬の魂こそが、私たち人間の最後の砦のような気がします。虐待されてもひたすら飼い主を愛する姿。車から捨てても必死で追いかける姿を想像するだけで、胸が痛みます。私たちは犬の信頼と愛情を裏切ることはできません。
「さとりをひら
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