野良猫にやられて飛べなくなった白い鳩がやってきた
子供の頃、おじいちゃんっ子だった僕はしょっちゅう祖父母の住む団地の長屋に遊びに行っていた。2部屋ぐらいしかない古い長屋で、トイレはぼっとん便所。当時はお風呂にもシャワーすらなくて不便だったが居心地が良かった。
猫の額ほどの庭があって、そこにはイチジク、ミカン、モモが植えられており、ちゃんと実も生った。昔は残飯をその庭に埋めていたので、植物にとっても栄養があったのかもしれない。その埋められた残飯を求めて、夕方か朝方になるとしょっちゅう沢山のタヌキもやってくる。そんな環境だった。
あるとき、同じ団地の少し離れた区画に住んでるバイク好きのじいさんが、祖父母の家に白い鳩を届けてきた。祖父母は動物が好きだったので、面倒を見るだろうと思っていたようだ。
この鳩。猫に襲われて翼が傷ついているのをバイクのじいさんが保護し、傷口を消毒をしてしばらく自宅で育てていたが、持て余したので寄越してきたのである。鳥は基本的に外傷があっても出血が少ないので、この鳩も飛べはしないものの、普通に採餌も出来るぐらいには回復していた。真っ白な、綺麗な鳩だった。
白い鳩のリハビリ生活、順調だったけれど…
最初は全く飛べないため、庭の物干し竿に、鳩を入れたカゴを下げて日光浴をさせたり、植え込みの雑草を食べさせたり、それからヒエやアワ、小松菜なんかを食べさせていた。1か月
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