この物語は、ここ30年でノラ出身のネコを12匹保護し、一緒に生活し、ついに全員を看取ったと思ったら、今また一匹のネコと暮らしている中年男の喜怒哀楽に満ちた日常の回顧録である。
ミー(仮名)がきた! 第6回“外”
外で暮らしていた地域ネコ……まぁ一昔前の言い方でいうところの野良ネコ。そんな野良ネコを引き取った時に、鳴き声問題以外で心配することといったら、なんといっても、
「外に出たくならないの?」
問題である!
前回も書いたけど“犬は人になつき、ネコは家になつく(性格には違う言い回しかもしれない)”って言葉もあるように、ネコは環境が変わるのが嫌いらしい。
当然、外で生活していたコがいきなり屋内に移動してくると、最初は外に出たがるもんである。
もちろんミーもそうだった。
最初の一週間はベランダに用があって、そこに通じるサッシを開けようとすると、隙あらば出ようとしてきた。
↑窓から外を懐かしがって眺めるミー。なにか同情したくもなる哀愁である。
だからベランダに出るサッシにしても、玄関の扉にしても、開ける時はミーがででいかないように注意しながら開けないといけない。
それに窓は閉まっていても、ウチはマンションなんで一部屋にイッコくらい、必ず通風口みたいなのがあるんですよ。
人間にはわからないんですけど、そこから外の香りがするんですかね、草とかそういう香り。
そういう香りが懐かしいのか、通風
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