カマイタチは実在する!あの日出会ったつむじ風【異形の猫】
妖怪は実在する。僕は長年、そう確信しながら生きてきた。
漫画家・水木しげる先生が生涯をかけて紹介してくれた、数々の妖怪たち。
その中には完全に創作されたものもあるが、たとえばぬりかべというメジャーな妖怪は、水木先生が戦時中に南方で出会ったという記述がある。
妖怪は実在する。僕は長年、そう確信しながら生きてきたのだ。
そんな僕が今日語りたいのが、カマイタチである。
カマイタチ。ご存知の方も多いだろう。
僕が白昼堂々妖怪を目撃したのはただ一度しかない。そしてそのたった一度の妖怪遭遇事例が、カマイタチ目撃例なのである。
カマイタチは物騒な妖怪だ!
そもそもこの妖怪は、江戸時代から伝わる由緒ある存在であり、つむじ風に乗って参上し、その場に居合わせた人に斬りかかる。
ところが不思議なことに、カマイタチに斬りつけられても痛みは感じることはなく、それどころか傷口から出血すらないのだ。このため、仮に遭遇してもさほど危険はないと思えるところではある。
しかし異説もある。
その昔、尾張藩士に名を連ねた人物の中に、三好想山という物好きな男がいた。彼のカマイタチに関する記述によると、この妖怪につけられた傷が無害なのは最初だけだというのだ。
次第に傷口は熱を持ち、痛みや出血を招くようになるという。しまいには傷口がひどく壊死してしまい、下手をすれば死
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