猫だましい(幻冬舎刊、ハルノ宵子著)【ブックナビ】
猫好きの友人が著者ハルノ宵子さんの大ファンで、「この人の猫に対する姿勢がとても好きだ」と言う。早速、新刊「猫だましい」(幻冬舎刊)を読んでみた。確かに猫に対する愛情がさわやかなのに感動的で、なるほど猫好きのファンが多いはずだと納得した。
「猫だましい」では表紙や挿絵の猫もとても素敵で、猫を知っている人でなければ描けないリアルで美しい猫にうっとりしてしまう。猫に対する深い愛情も伝わってきて、なぜもっと早く読んでおかなかったのか、悔しい気分で読み終えた。
今回は自らの病気に関する内容が中心で、暗くなりがちな内容なのに、湿っぽい気分にさせない、不思議な魅力に満ちている。治療の経過を丁寧に解説してくれるので、大腸がんについて、この本で詳しく学んでしまった。
猫の病気に関する考え方にも学ぶべき点がたくさんあった。著者は猫のために、あえて治療をしないという選択もしている。経過を知れば確かに正しい選択なのだが、いざ、自分がその場面にいたら、なかなかできないことだと思う。
猫に対して本当に愛情深く接しているからこその決断だろう。死を前にした時、正しく猫の気持ちになって考えることができる飼い主は、実は少ないのかもしれない。
長年、飼い続けてきた猫の病気と関わって来た結果、自分の病についても正しく判断できるようになったと著者は考えている。だから、自
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