虹の橋を渡る日まで
うちの猫は時々やってくる彼が大嫌いだ。玄関のドアが開いて、彼が入ってきたとたん、顔も見たくないって感じですっ飛んで逃げて、クロゼットの奥に籠城して絶対に出てこない。
「ホントにこの家に猫いるの?」なんて彼が不思議がるほど、猫は姿を見せずに隠れる。その間、猫はトイレにも行けないし、水も飲めない。猫のために、家に彼を呼ぶことは少なくなってしまった。
私の方が彼の家に行くことがどんどん増えて、コロナで外食できなくなってから、デートは彼の家が定番になってしまった。そして、彼に会いに行く時はスーパーで食材を買うという、まるで通いの家政婦さんみたいになっちゃってる。
最初は「悪いね」なんて食費をくれたけど、最近は「飲み物は買わなくていいよ」なんて、お酒とソフトドリンクで胡麻化されている。彼の自宅デートで、私の方の負担が増えてしまった。
こちらの不満を知らずに、彼は「ホント料理うまい!今度はさ、分厚い肉、焼いて」とか、「旬の鰹が食べたい」なんて我儘だ。
食後、私がひとりでお皿を洗っていても、「後でやるから、そのままでいいよ」なんて言って、ソファーでグーグー寝ちゃったり、オンラインゲームを始めちゃうなんて、ひど過ぎない?
歳上の彼が、私にだけそんな子供っぽい素の姿を見せてくれるのだと思って、嬉しく感じてはいたけれど、最近は、何だか靄(もや)って仕方がない。
今日もLINEで「
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