虹の橋を渡る日まで
親族だけで小さな結婚式を挙げることにした。友人が式の最中に流す動画を作ってくれるらしい。「二人のなれそめをメールで送ってね」と言われて、これまでのことをいろいろ思い出した。
きっかけは、どクズな元彼に「ブス」と捨て台詞を吐かれて振られたこと。気分転換にジム通いを始めた。何とか見せられるバディになったかな、という頃に、気になる男性が現れた。
筋トレにはあまり縁が無さそうな、いかにも繊細そうな感じの理系男子で、これがワタシには「ど」ストライクだった。
何気ない風を装って、お近づきになろうとアレコレ画策しまくって三ヶ月。ついに「ジムが終わったら、軽く飲みに行きませんか?」と、あちらからお誘いをいただきましたよ。
おっしゃー、来たよ、キタキタ!とガッツポーズだったが、いや落ち着け、神様は言っている「まだ被った猫を脱ぐときじゃない」と。
とりあえず今夜は外堀を埋めるつもりで、行ったお店がちょっと良かった。小洒落た居酒屋で、元気なおかみさんが切り盛りする素敵な雰囲気だった。コロナが終わったら真っ先に行きたいお店のひとつだ。
彼のことはジムの仲間からのリサーチで、大体わかっている。勤め先はお堅い研究所で、ひとつ年下。趣味は映画らしい。彼が見そうな映画はちゃんとチェックしたもんね。
乾杯の後、どこから話をしようかと思っていたところ、彼の方から「猫、お好きなんですか?」と聞いて
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