抱き上げた体は軽かった。10年間野良として暮らしたサビ猫の思い出
動物にとって、日本の四季というものはなかなか体に堪えるもののようです。
夏は灼熱地獄。冬は降雪によって体の心まで冷えるわけですから、屋外で暮らしている生き物たちにとってはかなりの苦労があることは、想像するまでもないことです。
特に、元々日本には生息していなかった外来生物にとっては、これはまさに死活問題。熱中症で亡くなる個体や、冬を乗り切れずに死んでしまう個体もいます。
特に猫の場合、ともすれば昔から日本で暮らしてきたために、外来種であることを忘れがちですが、本来彼らだって日本の四季の変化に対応を強いられているだけなんですよね。
このところ、野良猫については環境に及ぼす悪影響の大きさを深刻視する意見もあります。ただ、野良猫は元を正せば人間の屋外飼育が当然という飼い方のせいで増えてしまったものですから、彼らは被害者なんですよね。
それに、野良猫たちの一生って、しっかりと観察すると本当に切なく、物悲しいものです。今回はその事例の一端を紹介したいと思います。
名前、不明。年齢、不明。野良猫歴、不明。あるサビ猫の話
筆者が野良猫について思いを馳せるとき、絶対に忘れることができない個体が何頭かいるのですが、今回はおよそ10年にも渡って観察してきた、小柄なサビ猫の話をしたいと思います。
2007年頃のこと。
当時、新潟で暮らして
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