君は忠犬タマ公を知っているか!
2007年の3月。当時僕は遠距離恋愛中だった彼女の住まいの近くにアパートを借りるため、わざわざ宮崎から新潟まで引っ越した。若いって単純なのだ。
このとき、新幹線やら在来線を乗り継いでJR新潟駅に到着したが、構内で気になるものを発見した。それが「忠犬タマ公の像」という、ワンちゃんのブロンズ像だった。
「いろんな忠犬がいるんだなぁ~」みたいなことを考えながら引っ越し先に向かったんだけど、それからも新潟駅を利用するたびに、タマ公の前を通ると何となくその存在が気になっていた。で、あるとき図書館でタマ公関連の情報を調べたこともあった。
結論から言えばこのワンちゃん、めちゃくちゃ忠犬だった。
雪崩から飼い主を救う偉大なるタマ公
時は1930年代。新潟県の中蒲原郡にある川内村に、吉太郎という猟師がいた。山深く、冬になれば分厚い雪で覆われる川内村での狩りの苦労は並大抵なものではなかった。
その吉太郎の仕事の頼れる相棒が、タマ公だった。タマ公はメスの柴犬で吉太郎の狩りを日々サポートする優秀な存在だったようだ。
1934年の2月5日。吉太郎とタマ公は、同じ猟師の小泉何某と共に山に入った。が、運の悪いことに、この2人と1頭が雪崩に巻き込まれてしまう。
あっという間に雪に埋もれてしまった吉太郎。小泉もどこに埋まったか知れない。あとはもう死を待つばかり……といった状況で、吉
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