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地の縁、人の縁、猫の縁。

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ペットニュース
虹の橋を渡る日まで
山門をくぐると読経の声が聞こえてきた。私の従兄弟のタカ兄の声だ。本堂でお勤めをしているらしい。お経の意味はわからないけど、良い声だ。独特の節回しと相まってずっと聞いていたくなる。
本堂の階段に腰掛けると、すぐ脇に猫がやってきた。こちらの顔を見上げて「にゃあ」と挨拶すると、すぐ目を閉じて香箱になった。何だか一緒になってお経に聴き入っているようだ。
この猫は私がまだ小学生の頃、拾ってはきたものの、ウチで飼えなくて、この寺のタカ兄に引き取ってもらったのだ。タカ兄は猫に「ソラ」と名付けた。それ以来、この寺に来ては、ソラと遊んでいた。今ではソラとその子どもが、寺の境内で暮らしている。
歳の離れていた従兄弟のタカ兄には、よく宿題を教えてもらったり、親に言いにくい相談事も聞いてもらったりと、ソラにかこつけてしょっちゅうこの寺に来ていた。
タカ兄が都会の大学に行ってしまってからもずっと、寺でソラに愚痴を聞いてもっていた。ソラは今日のように脇で香箱になったり、たまに膝の上に乗って来て、私のとりとめない愚痴を聞いてくれた。
どちらかというと田舎寄りなこの地域で、小中高と私のまわりはずっと同じ顔ぶれだ。進学先も少なくて、近所のみんなと同じ公立に通っている。小学校以来の友人たちと、わいわいやっているのが楽しかったはずなのだが、ここ最近、急にわずらわしくなってきた。友人と一緒に喋ったり

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