虹の橋を渡る日まで
タイトルから出オチで悪いが、ウチの猫は「ワカメ」という。最初に出遭ったとき、海藻に包まって海岸に転がっていたからだ。それで瀕死のそいつを最寄りの獣医のところに持ち込んで、何とか一命を取り留めた後、我が家で面倒をみている。
あれから2年ほど経って、ワカメはムチムチのモフモフでやたらと人懐こい猫に成長し、たまに来る客にも評判が良い。漁港でもらってきた発泡スチロールのトロ箱がお気に入りで、いつもその中で丸まっている。
で、今日はそのワカメが、増えてしまった話だ。
遡ること3ヶ月前、朝から妻が仕事に出かけて行った後、台所に入ると後からワカメがニャーニャーと着いてくる。あれ?ゴハンもらってなかったのか、と空の容器にカリカリを入れてやると、ガツガツと食べ始めた。
夕べ、ちゃんと食べさせたはずだが、こんなに腹すかせているなんて変だな、と訝しんでワカメを見ると、首輪が無かった。
「あれ、お前、首輪どうした」
どこかで外れてしまったのだろうか、まいったな、あれ妻が買ってきたお気に入りなんだけどな、などと考えているうちにワカメは食べ終えて、スタスタと縁側の方へ行ってしまった。
縁側にはワカメお気に入りのトロ箱。中を覗くとワカメがスヤスヤと眠っている。でも、ちゃんと首輪をしている。
「さっきの、ワカメじゃなかった?」
それにしてもそっくりだった。言い忘れたがワカメは茶トラで、他とは
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