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犬が死んでも世間は何も変わらない【犬が死んだ朝】

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犬が死んだ朝
犬が死んだ朝、私はどうしても起き上がることができなかったので、ベッドから会社に電話を入れて風邪でしばらく休むと告げた。上司は私の声を聞いてびっくりして「大丈夫?早く治して」と言ってくれた。嘘がばれないといいけど。
夜明け前、ひっそりと息を引き取った犬を抱いて、お隣に迷惑が掛からないよう、タオルをかみしめて嗚咽をこらえた。親が死んだときもこんなに悲しくはなかった。
犬の死はこれまで体験したどの悲しみよりも激しく辛いものだった。高齢で覚悟はしていたし、親の死も体験したけれど、予想していた悲しみをはるかに超えた。
何より夜更けにひとりで逝ってしまったのが辛すぎた。私は知らずにのうのうと寝ていた。夜明け前に気が付いた時は、もう息をしていなかった。はやく気づいて救急病院に行っていたら、助かったかもしれないのに。
悲しみに加えて、苦しい後悔の塊が襲ってきた。せめて寄り添ってあげて、最後の瞬間を看取ってあげたかった。私は何と愚かな飼い主だろう。寂しい思いをさせてしまった。
子犬から成長するまで、そして今、命が絶えるその瞬間まで、素晴らしい時間をくれた犬。大好きな犬が、私から去ってしまった。
もう一度目を覚まして私を見て欲しい。
一緒に散歩に行きたい。美味しいご飯を食べて欲しい。もう一度、もう一度と願っても、現実は何も変わらない。
頭痛がして、喉が痛い。でも、身体のどこかが痛い

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